Power delivery network challenges
電力供給の課題
サイズと重量
設計の柔軟性とスピード
高速電力変換
Breakthrough algorithms surpass decades-old legacy methods
長年使われてきた従来の手法を凌駕する革新的アルゴリズム
寒冷地では、自動車のフロントガラスの解氷をいかに素早く効率的に行うかは大きな課題です。内燃エンジン(ICE)の廃熱をフロントガラスに送る従来の手法は、効率が悪く時間がかかります。氷の溶け方にむらがあるため、氷の層全体を溶かすために余計なエネルギーを消費してしまいます。
ベターフロスト・テクノロジーズ社のCEOであるDerrick Redding氏は、自動車業界で長年使われてきた除霜方法について、「単にガラス表面に大量の熱を流し込んでいるだけである」と指摘します。
EVが直面する霜取りの新たな課題
寒冷地では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は内燃エンジン車とは大きく異なり、回収可能な廃熱を発生しません。そのため、走行の動力源であるメインバッテリーからエネルギーを供給する必要があります。その結果、バッテリーが消耗し、航続距離の低下を招くことが、EV利用者にとって大きな懸念事項です。
Betterfrost’s proprietary technology is a paradigm shift for EVs
ベターフロスト独自の技術がEVのパラダイムシフトを起こす
ベターフロスト・テクノロジーズ (以下、ベターフロスト) が発表した急速解氷システムは、48V給電と独自のアルゴリズムを活用しています。この画期的な技術は「フロントガラスの凍結を取り除く際、氷を完全に溶かす必要はない」という着想から実現しました。氷とガラスが接する「界面層」の結合を弱めるだけで、十分に霜取りは可能です。氷全体を溶かさずとも、氷がガラス表面から滑り落ちるので簡単に除去できるのです。
ベターフロストの手法は、制御された短いパルス電力をガラス表面に印加することで、氷の最下層に薄い擬似液体層を形成し、瞬時に氷を剥離させるというものです。ガラス全体を加熱する方法とは異なりエネルギーを無駄に消費しません。このパルス電力は、フロントガラスにコーティングされた低放射(Low-E)層と相互作用します。銀や酸化インジウムスズ(ITO)などの導電性Low-Eコーティングを電気回路として利用し、ベターフロスト独自の電力制御アルゴリズムによって熱を均一に分配します。これにより、従来のHVACシステムでは25分近くを要していた解氷を、エネルギー消費量を1/20に抑えながら、わずか1分足らず(最速記録は42秒)に短縮しました。
CEOであるRedding氏は、「鍵となったのは、ガラス表面から氷を剥がすという発想です」と語ります。「最も効率的な方法は、熱が界面層(わずか 0.1 mm程度)だけに届くようパルス電力を印加することです。それだけで氷は簡単に滑り落ちます。氷の厚さは関係ありません。ベターフロストなら厚い氷でも同じエネルギー量と時間で取り除くことができます。」
Vicor advantages
Vicorの特長
高電力密度
容易なモジュール設計
過渡応答速度8メガアンペア毎秒
小型・高電力密度の電力変換モジュールでガラスへ48Vを正確に印加
ベターフロストの48Vシステムには、安全かつ高効率で高速パルスをガラス表面に印加するために、車載グレードで高電力密度のVicorの電圧変換比固定バスコンバータBCM® (800V または400Vから48Vへ変換)が採用されています。
VicorのBCMは、DC-DCトランスとして機能します。高電圧側に印加された電圧は、モジュール固有の変換比(Kファクター)に従って低電圧へ変換されます。例えば、Kファクターが1/16の場合、800Vの入力に対して50Vが出力されます。このとき出力電流は同じ比率で大きくなり、入力電流が5Aであれば、出力電流は5A × 16 = 80Aが得られます。Vicorの技術を用いたこのコンバータは電流の応答が驚異的に速く、0Aから80Aへの切り替えを毎秒800万アンペアの速度で行うことができます。この優れた応答性能により、高速パルスや回生エネルギーを伴う負荷などの、変動の激しい電力に対応できます。また、BCMモジュールは極めてコンパクトで、従来のDC-DCコンバータに比べ最大90%の小型化を実現しています。
「Vicorのおかげで、サイズや重量の制約に縛られず、48V給電システムを容易に構築できました。これほどの高効率と高電力密度を実現できるのはVicor以外にありません」と、Redding氏は述べています。
ベターフロスト独自の電力制御アルゴリズムとVicorの電力変換技術を組み合わせることで、自動車メーカーが多様な車種プラットフォームに迅速に導入できる、プラグ・アンド・プレイのソリューションが実現しました。VicorのBCMを使うことで供給電力増大への対応が可能であり、25%のデューティサイクルで、最大3.1kW(20ミリ秒間)の電力供給ができます。

